タイタンの妖女ってどんな話?ざっくり時系列で整理

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ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : タイタンの妖女




タイタンの妖女
著者:カート・ヴォネガット・ジュニア

全人類が盛大に振り回される話

神みたいな存在になった男が宇宙規模の計画を実行し、その中心に選ばれてしまった大富豪が、記憶も自由も奪われたまま太陽系をたらい回しにされる話。
地球、火星、水星と舞台を移しながら、主人公マラカイ・コンスタントは「自分の人生って何だったの?」という問いに放り込まれていく。壮大なのにやたら人間くさくて、笑えるのに最後は妙に胸に残る。

ざっくり時系列

ウィンストン・ナイルズ・ラムファードが時空に散らばる存在になる

未来を知るラムファードが人類の計画を動かし始める

全米一の大富豪マラカイ・コンスタントが計画に巻き込まれる

マラカイは記憶と財産を失う

地球から火星へ送られ、兵士として扱われる

さらに水星へと流され、過酷な運命を生きる

人類全体の目的と、マラカイの役割が明らかになる

物語の主要人物

  • マラカイ・コンスタント
     全米一の大富豪。ラムファードの計画によって人生を大きく狂わされる人物
  • ウィンストン・ナイルズ・ラムファード
     時空を超えて存在する波動現象となった男。未来を知り、人類を導く役割を担う
  • ビアトリス・ラムファード
     ラムファードの妻。物語を通してマラカイと深く関わっていく

神になった男が仕掛ける宇宙規模の計画

物語は、ラムファードという男が「時間と空間のあらゆる場所に同時に存在する存在」になってしまったところから始まる。
彼は未来をすべて知っており、人類がどこへ向かうのかも把握している。その知識を使って、まるで神のように歴史へ介入し、計画を淡々と進めていく。

大金持ちが宇宙を放浪するはめになる

ラムファードの計画で一番ひどい目に遭うのが、マラカイ・コンスタント。
彼は富も地位もあるが、それゆえに「選ばれて」しまう。記憶を奪われ、意思とは無関係に火星へ送られ、兵士として扱われ、その後は水星へ。
どこへ行っても自由はなく、「自分の選択で生きている感覚」がどんどん削られていく。

人類の目的と、あまりに皮肉な結末

物語が進むにつれて、ラムファードの計画が個人のためではなく、人類全体のためのものだとわかってくる。
ただし、その目的は壮大なのに、理由は驚くほど身も蓋もない。
マラカイが歩んできた人生や苦難が、宇宙レベルの視点で見たとき、まったく別の意味を持ち始めるところが、この作品の一番えげつないところ。

この小説のポイント

・宇宙規模の話なのに、テーマはかなり人間的
・自由意志って本当にあるの?という問いを投げてくる
・シニカルだけど妙にやさしい視点
・笑える場面と、急に真顔になる瞬間の落差

たぶんこんな小説

SFっぽい設定で始まるけど、読んでる感覚は哲学とブラックジョークが混ざった長い人生相談みたいな感じ。
登場人物たちは振り回されっぱなしなのに、その姿がどこか他人事じゃなくて、読み終わったあとに「自分の人生も、まあそんなもんかもな」と思わせてくるタイプの一冊。

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