※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
トウモロコシ畑の子供たち
(Children of the Corn)
作品データ
著者:スティーヴン・キング
ジャンル:ホラー短編
迷い込んだ夫婦が、子供だけの町で儀式に巻き込まれる話
ネブラスカ州の田舎道を走っていた夫婦バートとヴィッキーは、トウモロコシ畑から飛び出してきた少年を轢いてしまう。通報のため立ち寄った町ガトリンには大人の姿がなく、いるのは子供たちの気配だけだった。理由の分からない静けさの中で、二人はこの町が何を信じ、何を捧げて生きているのかを思い知らされていく。
ざっくり時系列
バートとヴィッキーが田舎道で少年を轢く
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少年の遺体に異常があることに気づく
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最寄りの町ガトリンへ向かう
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町に大人が一人もいないことが判明
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教会で町の過去と子供たちの支配を知る
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子供たちが夫婦を襲撃
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ヴィッキーが殺害される
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バートがトウモロコシ畑で追い詰められる
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「畝の後ろを歩く者」に殺される
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翌日、子供たちへの新たな命令が下される
物語の主要人物
・バート
夫。町の異変を探ろうとする
・ヴィッキー
妻。早く町を離れようと主張する
・ガトリンの子供たち
町を支配する存在
・畝の後ろを歩く者
トウモロコシ畑に棲む信仰の対象
大人が消えた町に足を踏み入れる
物語は、夫婦仲の冷えたバートとヴィッキーが事故を起こすところから始まる。通報のために向かったガトリンの町には、人の生活の痕跡だけが残されていた。古い値札、止まったカレンダー、そして遠くから聞こえる子供の笑い声。違和感だけが積み重なっていく。
教会に残されていた、町のルール
バートが教会で見つけたのは、荒らされた聖書と、人々の生死を記した記録だった。そこから彼は、12年前に子供たちが大人を殺し、一定の年齢に達した者は生きられない町になったことを理解する。この町では、信仰が法律であり、子供たちがそれを執行していた。
トウモロコシ畑が選ぶ生と死
子供たちは農具を手に夫婦を襲い、ヴィッキーは儀式的に殺される。逃げ延びたバートも、やがて畑に追い込まれ、「畝の後ろを歩く者」によって命を奪われる。翌日、その存在は子供たちを罰し、年齢の基準を引き下げ、新たな命令を与える。畑は静かに、それを受け入れる。
この小説のポイント
・外部の人間が迷い込むことで異常が浮かび上がる構成
・宗教と共同体が結びついた恐怖
・姿をはっきり見せない存在が支配する不気味さ
・短編ながら、町全体の仕組みが見えてくる
たぶんこんな小説
乾いた田舎の空気と、どこまでも続くトウモロコシ畑の感じがずっとまとわりつく話。派手さよりも、逃げ場がない感覚がじわじわ来る。読み終わる頃には、畑そのものが意思を持っているように見えてくる一編。

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