※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
異能機関
著者:スティーヴン・キング
神童少年が拉致され、超能力施設から脱出を企てる話
ミネソタに暮らす神童ルークは、ある夜突然〈研究所〉と呼ばれる謎の施設に拉致される。そこには彼と同じように、テレキネシスやテレパシーの力を持つ少年少女たちが集められていた。残忍な実験と検査が繰り返され、一定期間を過ぎた子供は〈バックハーフ〉へ送られ、戻ってこない。
ルークは仲間たちと力を合わせ、知恵と能力を使って脱出を試みる。一方、研究所側も追跡と制圧に本気を出し、物語は逃亡劇と反撃の局面へ進んでいく。
ざっくり時系列
普通の家庭で育つが、微弱なテレキネシスを持つルークが描かれる
↓
ある夜、3人の男女に拉致され〈研究所〉で目を覚ます
↓
同じ能力を持つ子供たちと出会い、過酷な検査生活が始まる
↓
検査期間を終えた子供が〈バックハーフ〉へ送られ、帰らないと知る
↓
ルークが脱出計画を立て、仲間の助けで施設から逃亡する
↓
研究所側が追跡を開始し、外の世界で新たな協力者と出会う
↓
施設内では残された子供たちが反撃に動き出す
物語の主要人物
・ルーク
12歳の少年。微弱なテレキネシス能力を持ち、研究所からの脱出を図る中心人物。
・カリーシャ
研究所に囚われた黒人の少女。強い精神力を持ち、仲間を支える存在。
・ニック
反抗的な少年。研究所の理不尽さに強い怒りを抱いている。
・エイヴァリー
幼く泣き虫だが、非常に強力なテレパシー能力を秘めた少年。
・ミセス・シグスビー
〈研究所〉の女所長。目的のためには手段を選ばない冷酷な指導者。
・ティム
元警官の流れ者。逃亡中のルークと出会い、行動を共にする。
目を覚ますとそこは偽りの家、すべてが管理された施設だった
ルークが目を覚ました部屋は自宅そっくりだが、外に出ると全く別物だった。古びた巨大施設の中で、子供たちは常に監視され、注射や検査を受け続ける。スタッフは冷淡で暴力的、説明は一切ない。
ここが安全な場所ではなく、能力を搾り取るための施設だと、ルークは徐々に理解していく。
子供たちは消え、研究所の本当の目的が見え始める
一定期間を過ぎた子供が〈バックハーフ〉へ送られると聞き、ルークたちは不安を募らせる。戻らない理由、能力を使わせ続ける意味。
ルークは仲間と情報を集め、脱出のタイミングを探る。外では研究所の影がどこまで及んでいるのかも分からないまま、計画は進んでいく。
逃げた少年と残された子供たち、それぞれの決戦
ルークは仲間の助力で研究所を脱出するが、女所長シグスビーは自ら追跡を開始する。一方、施設内に残された子供たちは、エイヴァリーを中心に最後の行動に出る。
研究所が何を企んでいたのかが明らかになり、子供たちと大人たちの正面衝突が避けられない状況へと突き進んでいく。
この小説のポイント
・子供視点で描かれる理不尽な権力構造
・超能力を持つ者が管理され、利用される恐怖
・逃亡と反撃が同時進行する構成
・少年少女それぞれの役割と成長
たぶんこんな小説
閉ざされた施設、理解不能な大人たち、その中で必死に考え動く子供たちの物語。怖さは派手な怪物ではなく、淡々とした管理と命令の積み重ねからじわじわ来る。
友情と知恵が武器になり、物語が進むにつれてスケールが広がっていく感触が強い一冊。

コメント