※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
ダークタワー V カーラの狼
(The Wolves of the Calla)
作品データ
著者:スティーヴン・キング
ジャンル:ダーク・ファンタジー
静かな農村を守るため、ガンスリンガーたちが“レジスタンス”になる話
ダークタワーを目指すローランドたちは、小さな農村カラ・ブリン・スタージスに立ち寄る。そこでは一世代に一度、「狼」と呼ばれる存在が現れ、双子の子供たちを連れ去るという恐ろしい慣習が続いていた。町を見捨てて通り過ぎることもできたが、カテットは戦うことを選ぶ。その裏で、世界を越えた脅威と、スザンナの中で進行する異変が静かに進んでいく。
ざっくり時系列
スタークブラストを越え、旅を続ける
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エディとジェイクが夢を通じて1977年のニューヨークへ行く
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ダークタワーと直結する「バラ」の存在が明らかになる
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カラ・ブリン・スタージスの人々に助けを求められる
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狼が子供を奪う仕組みと過去の戦いが語られる
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神父キャラハンが自らの過去と世界渡りを語る
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カテットはバラを守るためニューヨークへ介入する
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スザンナの中に第二の人格ミアの存在が判明する
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狼の正体と裏切りが明らかになる
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カラを守るための決戦が行われる
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戦いの後、ミアが姿を消す
物語の主要人物
・ローランド・デシェイン
最後のガンスリンガー。カテットの導き手。
・エディ・ディーン
機転と行動力で仲間を支える男。
・スザンナ・ディーン
二つの人格を抱える女性。物語の大きな転換点となる存在。
・ジェイク・チェンバース
少年。カラの人々と深く関わる。
・キャラハン神父
異なる世界を渡ってきた元神父。
・アンディ
カラに昔からいた人型ロボット。
平穏な村に隠された、残酷な仕組み
カラ・ブリン・スタージスは穏やかな農村だが、その裏では「狼」が双子の子供を奪い続けてきた。連れ去られた子供たちは数か月後に戻されるが、心も体も壊れている。町の人々は恐怖を知りながら、長年それを受け入れてきた。
過去と世界が交差し、守るべきものが増えていく
一方で、エディとジェイクは夢の状態を通じてニューヨークへ渡り、ダークタワーそのものと結びついた「バラ」を守る役割を担うことになる。キャラハン神父の語る過去は、シリーズ初期の出来事とも繋がり、世界の重なりがはっきりしてくる。
戦いの勝利と、取り戻せないもの
狼の正体は人間ではなく、機械だった。カテットとカラの住民は知恵と工夫で迎え撃ち、激しい戦いの末に勝利する。しかし犠牲は出て、特にジェイクに深い傷を残す。さらに戦いの直後、スザンナの中のミアが表に出て、ブラック・サーティーンと共に姿を消すことで、物語は新たな不安を抱えたまま次へ進む。
この小説のポイント
・小さな共同体を守るための戦い
・西部劇的な「助太刀もの」の構造
・シリーズを横断する世界と過去の接続
・スザンナを巡る物語の大きな転換
たぶんこんな小説
一冊まるごと「村を守る話」だけど、その裏でシリーズ全体が大きく動いている感じが強い。読み終わると、勝ったはずなのに安心できない。ここから先は、もう引き返せない場所に来たんだな、と思わせる空気が残る。

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