※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
ダークタワー VII 暗黒の塔
(The Dark Tower)
作品データ
著者:スティーヴン・キング
ジャンル:ダーク・ファンタジー
長い旅の果てに塔へ辿り着いた男が、終わりと始まりを同時に迎える話
ローランドとカテットの旅は、犠牲と別れを重ねながら最終局面へ進んでいく。ダークタワーは目前にあるが、その道のりで仲間は次々と失われ、選択の重さは限界まで積み上がる。そしてついにローランドは塔の扉を開くが、そこに待っていたのは「完結」ではなく、世界そのものの構造を突きつける真実だった。
ざっくり時系列
ジェイクとキャラハンがディキシー・ピッグで戦う
↓
キャラハンがジェイクを守って死亡する
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ミアがモルドレッドを出産し、怪物が誕生する
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ウォルターがモルドレッドに殺される
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ブレイカーズ解放作戦が行われる
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エディが戦闘後に死亡する
↓
ジェイクがスティーヴン・キングを救い、命を落とす
↓
スザンナが別の世界へ去る
↓
オイがローランドを守って死亡する
↓
クリムゾン・キングが倒される
↓
ローランドがダークタワーに入る
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物語の主要人物
・ローランド・デシェイン
最後のガンスリンガー。塔を目指し続けた男。
・スザンナ・ディーン
苦しみと決断の末、別の道を選ぶ女性。
・エディ・ディーン
ローランドの右腕的存在だった男。
・ジェイク・チェンバース
ローランドの“息子”のような存在。
・オイ
最後まで忠誠を貫いた相棒。
・モルドレッド・デスチェイン
ローランドとクリムゾン・キングの血を引く怪物。
仲間を失いながら、それでも進み続ける
最終巻は、最初から重たい別れが続く。キャラハン、エディ、ジェイク、オイ。誰かを失うたびに、ローランドの世界は静かに削られていく。それでも彼は歩みを止めない。止まれない、と言ったほうが近い。
世界を救うための行動と、その代償
ブレイカーズの解放、作家スティーヴン・キングの救出、クリムゾン・キングとの対峙。世界を維持するための行動は成功するが、そのたびに犠牲が生まれる。スザンナはその連鎖から離れることを選び、別の世界で新しい人生を始める。
塔の中で明かされる真実
ダークタワーの頂上で、ローランドは理解する。これは初めてではない。彼は何度もこの旅を繰り返してきたのだ。罪の内容は語られないが、彼が「正しく」旅を終えられていないことだけは示される。そして彼は、記憶を失ったまま、再び砂漠へと送り返される。
この小説のポイント
・シリーズ全体をひっくり返す構造
・完結でありながら循環する物語
・救済は与えられるが、確定はしない
・ローランドという人物そのものがテーマ
たぶんこんな小説
読み終わった瞬間、終わったはずなのに終わっていない感覚が残る一冊。達成感と虚しさが同時に来る。全部を見届けたはずなのに、また最初の一行を思い出してしまう。長い旅だったけど、この物語は「ここで終わる」とは言ってくれない。

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