ダーク・ハーフってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




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ダーク・ハーフ
(The Dark Half)

作品データ
著者:スティーヴン・キング
ジャンル:ホラー/心理スリラー

売れるペンネームが実体化して、作者の人生を破壊しに来る話

売れない純文学作家サド・ボーモントは、裏の顔として「ジョージ・スターク」というペンネームを使い、暴力的で人気の犯罪小説を書いていた。ところが正体が世間にバレたことで、そのペンネームを“殺した”はずが、なぜかスターク本人がこの世に現れる。しかも彼は、サドの代わりに罪をかぶせるように、関係者を次々と殺し始める。
これは分身との戦いであり、創作者が自分の中の闇と向き合わされる物語。

ざっくり時系列

サド・ボーモントが売れない作家として生活している

ペンネーム「ジョージ・スターク」で書いた犯罪小説が大ヒット

スタークの正体が暴かれ、墓地で模擬埋葬を行う

スタークが実体として現れ、殺人を始める

編集者や関係者が次々と殺害される

犯行現場にサドの指紋が残り、疑われる

サドとスタークの精神的な繋がりが明らかになる

サドに吸収された胎児の双子の存在が判明する

スタークの正体と「サイコポンプ」の意味が浮かび上がる

スズメの群れを使い、スタークと決着をつける

物語の主要人物

・サド・ボーモント
 メイン州ラドローに住む作家。ペンネーム問題に悩まされる

・ジョージ・スターク
 サドのペンネーム。実体化した暴力的な分身

・エリザベス・ボーモント
 サドの妻。事態を冷静に見つめ続ける

・アラン・パングボーン
 キャッスルロックの保安官。事件を捜査する

ペンネームを殺したはずが、殺される側になる

スタークの正体が明るみに出たあと、サドは「もう書かない」という意思表示として、墓地でペンネームの模擬埋葬を行う。ふざけたイベントみたいだけど、これが全部の引き金になる。
スタークは墓から出てきて、サドが書いていた頃の癖や嗜好をそのまま引き継いだ存在として動き出す。酒も煙草も暴力も、全部そのまま。しかも目的ははっきりしていて、「自分を殺したやつら」への復讐。

指紋は同じ、でもやってない

殺人事件を追う保安官パングボーンは、現場に残された指紋を見て困惑する。どう見てもサドの指紋。でもサドにはアリバイがある。
やがて分かってくるのは、スタークとサドが同じ指紋を持つ理由と、二人が切り離せない関係にあるという事実。サドは夢や頭痛、謎のメモを通じて、スタークと繋がっている感覚に追い詰められていく。

双子、鳥の群れ、消えない闇

調査が進み、サドには胎内で吸収された双子の兄弟がいたことが明らかになる。過去の手術で見つかった異様な痕跡は、スタークが単なる妄想じゃない可能性を示していた。
頭の中で聞こえるスズメの鳴き声、それが「魂を運ぶ存在=サイコポンプ」だと分かったとき、物語は一気に超常の領域へ踏み込む。
最後はスズメの群れを呼び寄せ、スタークを引き裂くことで決着がつくが、完全にスッキリとは終わらない。

この小説のポイント

・ペンネームという設定を本気でホラーにしてくる発想
・作家の内面と創作衝動をそのまま怪物化した構図
・分身なのか、独立した悪なのか、最後まで揺らぐ正体
・事件後も残る、家庭と心の不安

たぶんこんな小説

ホラーなんだけど、怖さの正体は幽霊よりも「自分の中にあるもの」。売れる自分と売れない自分、好きな自分と嫌いな自分、その境目が崩れていく感じがずっと続く。読み終わると、創作とか人格とか、ちょっと考えさせられる、後味が静かに重い一冊。

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