※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
刑務所のリタ・ヘイワース
(Rita Hayworth and Shawshank Redemption)
作品データ
著者:スティーヴン・キング
ジャンル:リアリズム小説/刑務所小説
無実の男が、希望だけを武器に刑務所を生き抜く話
妻殺しの罪を着せられた元銀行副頭取アンディ・デュフレーンが、腐敗と暴力が支配するショーシャンク刑務所で、静かに、しかし確実に人生を組み立て直していく。
語り手は囚人仲間のレッド。
この物語は派手な脱獄劇ではなく、「耐えること」「信じ続けること」が、どれほど人を自由にするのかを描いていく。
ざっくり時系列
レッドがショーシャンク刑務所での日常を語る
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アンディ・デュフレーンが終身刑で収監される
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アンディが岩石ハンマーと映画女優のポスターを求める
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看守や所長の財務相談役として立場を築く
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刑務所図書館を拡充し、囚人たちの環境を変える
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真犯人の証言が出るが、所長に握り潰される
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ある朝、アンディが独房から消える
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レッドが釈放され、アンディの待つ場所へ向かう
物語の主要人物
・エリス・“レッド”・レディング
語り手。刑務所内で調達屋として知られる囚人
・アンディ・デュフレーン
元銀行副頭取。無実を訴えながら終身刑を受ける
・サミュエル・ノートン
ショーシャンク刑務所の所長。表向きは敬虔、裏では腐敗している
・バイロン・ハドリー
粗暴な主任看守。アンディの知識を利用する
・トミー・ウィリアムズ
別の刑務所から移送されてきた若い囚人
鉄格子の内側で始まる、静かな信頼
アンディは入所直後から、周囲とは距離を保ちつつ、少しずつ居場所を作っていく。
レッドに岩石ハンマーを頼み、壁に映画女優のポスターを貼るその姿は、刑務所の中でも異質だった。
やがて彼は会計の知識を活かし、看守や所長の信頼を得ていく。
希望を形に変えていく日々
アンディは囚人のためにビールを振る舞わせ、図書館を拡張し、学ぶ場を作る。
それは反抗でも革命でもなく、ただ「人として扱われる時間」を増やす行為だった。
その積み重ねが、周囲の囚人たちの空気を少しずつ変えていく。
28年分の時間が導いた答え
長年かけて準備されていた計画は、ある朝、誰にも気づかれずに完成する。
独房の壁、ポスターの裏、そして岩石ハンマー。
アンディは希望を捨てなかった結果として、自由を手に入れる。
この小説のポイント
・語り手が主人公ではない構成
・刑務所という閉鎖空間で描かれる時間の重み
・暴力よりも知恵と忍耐が中心
・希望という言葉の意味を掘り下げている
たぶんこんな小説
読んでいる間は静かで、淡々としている。
でも最後まで来ると、長い時間を一緒に過ごした感覚が残る。
派手じゃないのに、なぜか忘れにくい。
そんな余韻が、じわっと続く一冊。

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