※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
ダークタワー II 運命の三人
(The Drawing of the Three)
作品データ
著者:スティーヴン・キング
ジャンル:ダークファンタジー/冒険/異世界
瀕死のガンマンが、別世界から仲間を引きずり出す話
片腕と足を失い、熱にうなされながら浜辺を歩くガンマン、ローランド。
彼の前に現れたのは、異なる時代のニューヨークへと通じる三つの扉。
ローランドはその扉をくぐり、運命に選ばれた三人を引きずり出す。
麻薬中毒の青年、二つの人格を持つ女性、そしてすべての悲劇の引き金となった男。
この巻は、ダークタワーへの旅が「一人の物語」から「仲間の物語」へ変わる瞬間を描いている。
ざっくり時系列
浜辺で怪物に襲われ、重傷を負う
↓
三つの扉を発見する
↓
最初の扉でエディを連れ出す
↓
二つ目の扉でオデッタとデッタの問題に巻き込まれる
↓
三つ目の扉ですべての元凶と対峙する
↓
人格が統合され、新たな仲間が生まれる
↓
三人で浜辺を後にする
物語の主要人物
・ローランド・デスチェイン
ギレアデ最後のガンマン。ダークタワーを目指す旅人。
・エディ・ディーン
ヘロイン中毒の青年。最初に選ばれる仲間。
・オデッタ・ホームズ
裕福で活動的な女性。別人格を抱えている。
・デッタ・ウォーカー
オデッタの中に潜む暴力的な人格。
・スザンナ・ディーン
二つの人格が融合して生まれた新たな存在。
・ジャック・モート
他人を傷つけることに快楽を覚える男。
浜辺で始まる、最悪のコンディション
前作の直後、ローランドは浜辺で目を覚ます。
ロブスターのような怪物に襲われ、指と足の一部を失い、感染症に侵される。
歩くだけで命が削られていく状態で、それでも彼は前に進む。
そこで現れたのが、海に面して並ぶ三つの扉だった。
扉の向こうから、歪んだ人生を連れてくる
最初の扉の先にいたのは、麻薬と兄に縛られた青年エディ。
次の扉では、二つの人格に引き裂かれた女性オデッタ。
どちらも、まともな英雄とは言いがたい存在だ。
ローランドは彼らを助けると同時に、自分の生存のために利用する。
その関係は対等ではなく、常に危うい。
すべての因果が、ひとつに収束する
三つ目の扉の先にいたのは、過去の悲劇を生み出した男ジャック・モート。
彼はオデッタの人格分裂と、少年ジェイクの死を引き起こした張本人だった。
ローランドは彼を操り、必要な物資を手に入れ、最後には死へ導く。
その光景を目の当たりにしたことで、オデッタとデッタは衝突し、融合する。
こうしてスザンナ・ディーンが誕生する。
この小説のポイント
・仲間集めそのものが物語の中心になっている
・異世界と現実世界が頻繁に交差する構成
・主人公が決して「優しい英雄」ではない描写
・人格、依存、再生というテーマが重ねられている
たぶんこんな小説
スピード感があり、読んでいると止まらなくなる一冊。
仲間は増えるけど、安心感はまったく増えない。
ここから先、旅がどれだけ過酷になるかをはっきり示してくる、シリーズの分岐点みたいな巻。

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