※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
黎明の星
著者:ジェイムズ・P・ホーガン
地球が壊れたあと、もう一度文明を始めようとして揉める話
大災厄で地球文明がほぼ消え去り、人類は宇宙に逃げ延びるしかなかった。
生き残った人類は、すでに独自文明を築いていたクロニア人と共に生きる道を選ぶ。
ところが、再び地球と向き合おうとした瞬間、文明とは何か、誰が決めるのかで大きく割れていく話。
ざっくり時系列
木星由来の小天体とのニアミスで地球が壊滅的被害を受ける
↓
わずかな人類が宇宙へ脱出する
↓
土星の衛星群で暮らすクロニア人に救出される
↓
数年後、災厄後の地球調査が始まる
↓
地球に生存者がいることが判明する
↓
新文明構築を巡って人類同士が対立する
物語の主要人物
・地球から脱出した人類
災厄を生き延び、クロニア社会で暮らす生存者たち
・クロニア人
かつて地球を離れ、土星の衛星群で独自文明を築いた存在
・地上の生存者
記憶を失い、原始的生活を送っている地球人
・地球惑星政府派
旧来の価値観を取り戻そうとする一部地球人
地球文明が一度、完全に終わる
物語は、地球が致命的な天体災害に襲われるところから始まる。
地軸は傾き、大陸は変形し、文明は維持不能になる。
人類は宇宙へ逃げるしかなく、地球は見捨てられた星になる。
クロニア人と人類の奇妙な共存
救われた人類が身を寄せたのは、土星の衛星群で暮らすクロニア人の社会。
そこは地球とはまったく違う価値観と制度で成り立っている。
人類文明は、もはやクロニアのもとでしか存続できない状態になる。
再び地球へ、そして対立へ
数年後、災厄後の地球調査が行われ、生存者の存在が明らかになる。
彼らは文明以前の生活に戻り、過去の記憶もほとんど失っていた。
新しい文明を築こうとする動きの中で、クロニア社会を拒否する地球人が現れ、事態は一気にきな臭くなる。
この小説のポイント
・地球文明リセット後のリアルな再出発
・異文明との共存をかなり具体的に描写
・科学より社会制度に重心を置いたSF
・人類が自分たちで足を引っ張る展開
たぶんこんな小説
宇宙SFだけど、読後に残るのはかなり現実的な気分。
文明が壊れたあとに残るのは技術より価値観だな、と思わされる。
派手さよりも「人類ってこうなるよね」がじわじわ来る一冊。

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