イワンのばかってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




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イワンのばか
(Иван-дурак)
著者:レフ・トルストイ

いちばん何も考えない男が、最後に世界をひっくり返す話

軍人で出世欲まみれの兄、金に目がない兄、その横でただ黙々と働くばかのイワン。
悪魔は頭のいい人間や欲深い人間を次々と転ばせていくけど、イワンだけは最後まで噛み合わない。
知恵も計算も使わず、力で働き、人に分け与え、欲しがらない。
その結果、王になっても畑を耕し続ける国ができて、悪魔のほうが音を上げる。

ざっくり時系列

三人兄弟と妹が登場する

兄たちが財産分けを要求し、イワンは全部譲る

悪魔が兄弟を争わせようとして失敗する

小悪魔が兄たちとイワンを試す

兄たちは欲と権力で痛い目を見る

イワンは小悪魔を捕まえ、魔法の穂・葉・根を得る

イワンは宝を独占せず、人々に配る

兄たちは再起し、王になるが再び転落する

イワンは王女を救い、王になる

王になっても畑仕事を続ける国ができる

大悪魔が軍事・金・理屈で攻める

イワンの国では誰も引っかからない

悪魔が力尽きて消える

物語の主要人物

・イワン
末弟。極端に素朴で、欲や計算を持たず、ただ働く

・セミョーン
兄。軍人で権力欲が強い

・タラース
兄。金銭欲の塊のような人物

・マラーニャ
口のきけない妹。黙々と働く存在

・大悪魔
人間を欲と理屈で堕とそうとする存在

・小悪魔たち
兄弟を試すために送り込まれる

欲と理屈がある人から、順番に転んでいく

悪魔が狙うのは、強くなりたい人、儲けたい人、賢く見られたい人。
セミョーンもタラースも、悪魔の差し出す話にすぐ飛びついて、結局すっからかんになる。
でもイワンは、悪魔の話を真面目に聞かないし、損得で動かないから、攻撃が全部空振りする。

宝を持っても、使い方がズレている

魔法の兵隊は戦争に使わず、踊らせて遊ぶ。
金貨は貯めずに、女や子どもに配る。
病を治す力も、地位や名声のために使わない。
悪魔にとっては「それじゃ意味がない」使い方ばかりで、話が一切進まない。

王になっても、働くのをやめない

イワンの国の掟はシンプルで、
手に胼胝がある人だけが食べる権利を持つ、というもの。
頭で儲ける仕組みも、命令するだけの立場も存在しない。
王ですら畑に出て、一番前で働く。

この小説のポイント

・賢さや計算が、必ずしも強さにならない
・欲を持たないことが、最大の防御になる
・働くことそのものが価値だという極端な世界観
・悪魔よりも、人間の欲のほうが滑稽に描かれる

たぶんこんな小説

教訓はめちゃくちゃ前に出てるけど、
「考えすぎて自滅する人」と「何も考えずに生き残る人」の差を、
ここまで振り切って描くのは逆に気持ちいい。
読み終わると、
賢く立ち回るより、ばかのまま働くほうが強いのかも、
って一瞬だけ本気で思わされる話。

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