スターファイターってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : スターファイター




スターファイター
(Have Space Suit—Will Travel)

作品データ
著者:ロバート・A・ハインライン
ジャンル:SF

中古宇宙服を直した高校生が、宇宙誘拐から銀河裁判まで行く話

月に行きたい高校生キップは、広告コンテストの賞品として手に入れた中古の宇宙服を修理する。ところがその宇宙服を着ていたせいで、謎の円盤に巻き込まれ、天才少女ピーウィーと異星人マザーシングと一緒に誘拐される。逃走と再捕獲、冥王星基地での絶体絶命を経て、物語は人類そのものが裁かれる銀河規模の法廷へと広がっていく。

ざっくり時系列

キップが月へ行く夢を抱く

広告コンテストに応募し、中古の宇宙服を手に入れる

宇宙服を修理して使える状態にする

短波ラジオで放送中、ピーウィーから応答がある

円盤が着陸し、キップ・ピーウィー・マザーシングが捕らえられる

月へ連行され、脱出を試みる

再び捕らえられ、冥王星の基地へ送られる

マザーシングが装置と爆弾を作る

ワームフェイスたちを倒し、救難信号を送る

極寒の中でキップが重傷を負う

ベガVへ運ばれ、キップは冷凍保存される

回復後、銀河間法廷でワームフェイス族が裁かれる

人類も裁かれ、猶予付きの評価保留となる

キップとピーウィーが地球へ帰還する

物語の主要人物

・クリフォード・「キップ」・ラッセル
 月に行くことを夢見る高校生で、中古宇宙服を修理する
・ピーウィー
 11歳の天才少女で、著名な科学者の娘
・マザーシング
 鳥のような声で話す異星人で、高度な技術を持つ
・ワームフェイス
 人類を「動物」と見下す異星種族の支配者
・ファッツ
 ワームフェイスに仕える人間の手下の一人
・スキニー
 ワームフェイスに仕える人間の手下の一人

宇宙服ひとつで、日常から一気に宇宙の裏側へ

物語の始まりはかなり地味。月に行きたいけどお金がない高校生が、広告コンテストに応募するところから始まる。しかも当たったのは旅行券じゃなくて中古の宇宙服。それでもキップは諦めず、自分の手で修理する。この時点ですでに「工学少年もの」っぽい空気があるけど、宇宙服を着たままラジオ遊びをした瞬間、話は急旋回する。

誘拐、脱走、冥王星基地という詰め込み展開

円盤に拉致され、ピーウィーとマザーシングと出会い、月に連れて行かれたと思ったらすぐ脱走。と思いきや、今度は冥王星の基地。敵はワームフェイスという、見るからにヤバそうな存在で、人間を完全に下に見ている。ここでマザーシングの技術力が発揮され、爆弾と送信機を作る流れになる。冒険ものだけど、ちゃんと理屈と作業の描写が積み上がっていく。

銀河裁判で、人類がまとめて評価される

助けを呼ぶ代償としてキップは重傷を負い、舞台は一気にベガV、さらに銀河間法廷へ。ここでワームフェイス族は容赦なく裁かれ、次に人類が被告席に立たされる。ピーウィーとキップ、古代ローマ人やネアンデルタール人まで並ぶ光景はかなり異様。キップは人類を代表して語り、結論は「まだ未熟だから時間を与える」。滅ぼされないけど、猶予付きという、妙にリアルな落とし所になる。

この小説のポイント

・中古の宇宙服という地味なアイテムが、物語全体を動かす
・工学的な修理や装置づくりが冒険の核になっている
・敵との戦いだけでなく、裁判という形で決着がつく展開
・人類を一段引いた視点で見る、ハインラインらしいスケール感
・少年向けだけど、責任や判断の重さがきっちり描かれる

たぶんこんな小説

前半は宇宙冒険、後半は一気に思考実験みたいな広がり方をする。勢いで読めるのに、読み終わると「人類ってどう見られてるんだろう」って少し考えさせられるタイプ。工作、冒険、異星人、裁判が全部ひとつの線でつながっていく感触が残る。

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