※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
スターマン・ジョーンズ
(Starman Jones)
作品データ
著者:ロバート・A・ハインライン
ジャンル:SF/成長小説
星に行きたい少年が、気づいたら船長になっていた話
農場育ちで学歴も後ろ盾もない少年マックス・ジョーンズが、「宇宙に行きたい」という一点突破の願いだけで星の海に飛び込み、失踪事故・権力闘争・異星人トラブルのど真ん中で、いつの間にか船の命運を背負う存在になっていく話。
夢と現実の落差がえげつないのに、逃げ場がなくなった先で腹をくくって前に進む、その過程がまるごと描かれている。
ざっくり時系列
農場で働く
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父が亡くなり家を出る
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叔父の航海術マニュアルを持って旅立つ
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アースポートを目指してヒッチハイク
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サム・アンダーソンと出会う
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マニュアルを盗まれる
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ギルドで後継者でないと知る
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保証金を受け取る
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再びサムと合流
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宇宙船に偽の経歴で乗り込む
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船内で能力を評価され昇進
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航法士不足で司令デッキ入り
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誤った転移で船が行方不明
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未知の惑星に漂着
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原住民との衝突
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サムが死亡
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マックスが指揮を執る
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危険な逆転移を成功させ帰還
物語の主要人物
・マックス・ジョーンズ
農家出身の少年。叔父の航海術を独学で身につけている
・サム・アンダーソン
浮浪者の男。元帝国海兵隊員でマックスを導く存在
・エルドレス・コバーン
知的で冷静な女性乗客。マックスの理解者
・ヘンドリックス
主任航法士。マックスを見出し育てる
・サイメス
航法副官。物語後半の混乱の原因となる人物
家出少年、宇宙港へ向かう
オザーク山脈の農場で働いていたマックスは、父の死と家庭環境の変化をきっかけに家を出る。
手にしていたのは、亡き叔父が遺した航海術のマニュアル。
職業がギルドに世襲管理される世界で、マックスは「自分は後継者に指名されているかもしれない」という淡い期待を胸に、アースポートを目指す。
宇宙船に乗れたけど、事態はどんどん悪化
偶然出会ったサムと再会し、偽造経歴で宇宙船に潜り込むマックス。
記憶力の良さを武器にマニュアルを丸ごと頭に叩き込み、少しずつ船内で役割を得ていく。
だが人員不足、航法ミス、権力争いが重なり、ついに船は誤った転移で行方不明になる。
少年が背負うには重すぎる決断
漂着した惑星には敵対的な知的生命体が存在し、状況は絶望的。
航法士は次々と失われ、残されたのはマックスだけ。
しかも航法マニュアルは失われており、彼は自分の記憶だけを頼りに、危険な逆転移を成功させなければならなくなる。
最終的に、船長として指揮を執る決断を下すのもマックスだった。
この小説のポイント
・努力と偶然が噛み合う成長物語
・ギルド制社会への皮肉
・記憶力と知識が命を救う展開
・少年向けなのに容赦ない責任の重さ
・SFなのにかなり現実的な判断の連続
たぶんこんな小説
夢を追って飛び出したら、いつの間にか責任の最前線に立たされていた、そんな感じ。
ワクワクより先に胃が痛くなる場面も多いけど、最後はちゃんと前を向いて終わる。
読み終わると、「星に行くって、こういうことかもな」と静かに思わせてくる一冊。

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