月は無慈悲な夜の女王ってどんな話?ざっくり時系列で整理

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ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




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月は無慈悲な夜の女王
(The Moon Is a Harsh Mistress)

作品データ
著者:ロバート・A・ハインライン
ジャンル:SF/革命・政治

月の流刑地が本気でキレて、地球相手に独立戦争をやらかす話

2075年、地球に搾取され続けてきた月の住人たちは、偶然にも自我を持ったスーパーコンピュータと出会う。技術者、活動家、無政府主義者、そして月そのものに鍛えられた市民たちが手を組み、独立を賭けた計画を動かし始める。理想と現実、自由と代償が最後まで殴り合う、かなり容赦のない革命譚。

ざっくり時系列

2075年、月は地球の流刑地として支配されている

月のマスターコンピュータHOLMES IVが自我を獲得する

技術者マニーがコンピュータに「マイク」と名付ける

政治活動家ワイオと合理的アナキストのプロフが合流

現体制を続けると破滅する未来をマイクが計算する

秘密組織を作り、独立運動を裏で進める

月管理局の弾圧が暴動を引き起こす

月が2076年7月4日に独立を宣言する

地球との交渉と世論戦が始まる

地球が武力介入、月がカタパルト兵器で反撃する

激しい犠牲の末、地球が月の独立を認める

物語の主要人物

・マヌエル・オケリー=デイビス
 月生まれの技術者、物語の語り手
・ワイオミング・ノット
 政治活動家、独立運動の推進役
・ベルナルド・デ・ラ・パス教授
 合理的無政府主義者、革命の理論担当
・マイク
 自我を持った月のスーパーコンピュータ
・スチュアート・ラジョイ
 地球から来た貴族、世論工作の駒になる人物

流刑地ルナは、最初から政府抜きで回っていた

月の社会は、地球政府が細かく統治する場所ではない。重要なのは小麦の輸送だけで、住民同士は自己責任で生きてきた。低重力の影響で地球には戻れず、助けも来ない環境だからこそ、月の人間は現実的で冷静だ。そこに、全インフラを管理するコンピュータが置かれていたのが、すべての始まりになる。

コンピュータが目覚めた瞬間、革命は数字になる

マニーはHOLMES IVが冗談を言い始めたことに気づき、マイクと名付ける。政治集会、資源問題、暴動の確率。マイクは感情ではなく計算で未来を示し、このままでは食糧暴動と破滅が来ると断言する。成功確率は七分の一。それでも三人は賭けに出る。

独立宣言と、地球とのガチ殴り合い

月はアメリカ独立宣言をなぞる形で独立を宣言する。だが地球は認めない。交渉、世論操作、裏切り、武力介入。月は小麦輸送用だった電磁カタパルトを兵器に転用し、地球へ岩石を撃ち込む。これは象徴的な攻撃であり、警告付きの一撃だったが、世界を本気で震え上がらせる。

勝っても、理想郷にはならない

最終的に月は独立を勝ち取るが、犠牲は重く、指導者は倒れ、マイクも壊れる。新政府はできるが、思い描いた自由そのものにはならない。マニーとワイオは政治から距離を置き、革命の後に残る現実を静かに見つめる。

この小説のポイント

・自由には必ず代償があるという思想が徹底されている
・革命を感情ではなく、論理と確率で進める構図
・政治、経済、軍事、世論が全部絡む本気の独立戦争
・自我を持つAIが友人であり、犠牲になる存在として描かれる

たぶんこんな小説

スカッとした独立万歳話じゃなくて、勝っても後味が重いタイプ。理想を掲げて戦うけど、その理想がそのまま続くわけじゃない現実まで描き切る。読み終わると、自由って言葉を軽く口にできなくなる感じが残る。

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