※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
星を継ぐもの
著者:ジェイムズ・P・ホーガン
月にいた謎の死体から人類の過去がひっくり返る話
月面で発見されたのは、真紅の宇宙服を着たまま死んでいる人間の死体。
調べてみたら、死後五万年。
つまり、人類が宇宙に出るよりはるか昔に、誰かが月に来ていたことになる。
この一体の死体を起点に、科学者たちの調査はどんどん拡大し、やがて人類の起源そのものを問い直すところまで転がっていく。
ざっくり時系列
月面で真紅の宇宙服を着た死体が発見される
↓
死体が五万年前のものだと判明する
↓
現生人類との関係が調査される
↓
人類史と矛盾する事実が次々に出てくる
↓
ガニメデで地球由来ではない宇宙船の残骸が見つかる
↓
複数の証拠が一本の仮説につながっていく
↓
人類の過去と進化の全体像が明らかになる
物語の主要人物
- ハント博士
月面で発見された死体の調査に関わる科学者。物語の中心人物 - ダンチェッカー
調査チームのメンバー。科学的視点から謎に迫る - カーター
宇宙開発と調査に関わる人物。議論と判断の場で重要な役割を担う
月にいた五万年前の人間
物語は、月面調査員が発見した一体の死体から始まる。
宇宙服の構造、骨格、DNA、どれを取っても人間。
なのに年代だけがどうしても合わない。
ここで一気に、「人類の歴史に何か大きな欠落があるのでは?」という疑問が浮かび上がる。
科学的調査が少しずつ世界を塗り替える
この作品の面白さは、派手な事件よりも調査と推論の積み重ね。
仮説を立てては検証し、ダメなら捨て、また組み直す。
読者も一緒に考えさせられる構成で、話が進むほど「確かにそうなるかも」と思わされる。
ガニメデで見つかる宇宙船の残骸も、単なる別事件では終わらない。
人類史がまるごと再構築される瞬間
バラバラだった謎がつながったとき、見えてくるのは人類の意外すぎる過去。
進化、文明、宇宙進出、その順番すら当たり前じゃなかったことが示される。
しかもそれが、超技術や奇跡ではなく、かなり理屈っぽく説明されるのがこの小説らしいところ。
この小説のポイント
・謎解きの主役は科学と論理
・派手さより納得感を重視した展開
・人類の起源を真正面からひっくり返す発想
・シリーズ全体の起点になる一冊
たぶんこんな小説
読んでいる間は、推理小説みたいに頭をフル回転させる感じ。
でも読み終わると、「人類って思ってたよりずっと遠回りしてきたのかもな」と視野が広がる。
宇宙SFなのに、最後に残るのはロマンと知的な満足感、そんなタイプの一冊。

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