※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
未来からのホットライン
著者:ジェイムズ・P・ホーガン
未来と電話がつながって、理屈で世界をひっくり返す話
引退した物理学者の祖父が、政府の力も借りずにタイムマシンを完成させたと言い出す。
最初は半信半疑だった話が、検証を重ねるほど「あり得なくない」方向へ転がっていく。
未来と現在がつながったとき、何が変わり、何が変わらないのかを徹底的に考える話。
ざっくり時系列
主人公が祖父にスコットランドへ呼ばれる
↓
祖父がタイムマシンを完成させたと告げる
↓
未来との通信が可能だと判明する
↓
未来からの情報を使った検証が始まる
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時間と因果関係の問題が浮かび上がる
↓
未来を知った上での選択が問われる
物語の主要人物
・マードック・ロス
技術コンサルタントで、物語の中心となる主人公
・祖父
引退した物理学者で、独力で時間移動技術を完成させた人物
・リー
主人公の友人で、検証や議論に加わる存在
古城で語られる、とんでもない発明
舞台はスコットランドの古城。
主人公は祖父から、時間を越えて通信できる装置が完成したと聞かされる。
荒唐無稽に聞こえる話だが、祖父の説明は妙に筋が通っている。
未来からの情報は本当に未来なのか
未来とつながることで、出来事を事前に知ることが可能になる。
だが、その情報を使った瞬間に未来は変わるのではないか、という疑問が出てくる。
物語は、実験と理屈を積み重ねながら時間の仕組みを洗い出していく。
因果関係がぶつかり合うところまで進む
検証が進むほど、単純な時間移動では済まない問題が浮かび上がる。
未来を知ること自体が、未来を変える行為になるのか。
最終的に、時間という概念そのものの扱い方がはっきり示される。
この小説のポイント
・時間移動を感覚ではなく理屈で攻める構成
・実験と検証を重ねる展開
・派手さより論理の気持ちよさ重視
・時間SFの定番テーマを整理して見せる
たぶんこんな小説
派手な冒険は少ないけど、読み進めるほど頭が楽しくなる。
会話と議論が中心なのに、アイデアの密度が高い。
時間ものSFを一度ちゃんと整理したい人には、かなり刺さる一冊。

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