フロリクス8から来た友人ってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




Amazon.co.jp: フロリクス8から来た友人: 本
本 の優れたセレクションでオンラインショッピング。




フロリクス8から来た友人
(Our Friends From Frolix 8)
著者:フィリップ・K・ディック

平凡な男が、超人支配社会の底で引き金を引く話

22世紀、超能力者と天才に支配された世界で、何の力も持たない普通の労働者ニック・アップルトンが、制度への違和感から体制転覆の渦に巻き込まれていく。
反体制運動、エイリアンの介入、支配者の失墜が絡み合い、「誰が人間なのか」がぐらついていく物語。

ざっくり時系列

ニューマンとアンユージュアルが社会を支配

オールドマンは差別され、監視される

ニックの息子が公務員試験に落ち、制度への不満が高まる

ニックが反体制運動に関わり始める

レジスタンスのプロヴォーニが宇宙から帰還を宣言

フロリクス8の異星人が同行していると判明

地球側が侵略の恐怖に包まれる

プロヴォーニが地球へ到着

異星人が支配層の能力を奪う

体制が崩壊し、世界の前提がひっくり返る

物語の主要人物

・ニック・アップルトン
 下級労働者のオールドマン。物語の中心人物

・ウィリス・グラム
 心を読む能力を持つアンユージュアルの支配者

・ソーズ・プロヴォーニ
 レジスタンスの指導者。宇宙から帰還する

・チャーリー・ボイヤー
 若い反逆者。ニックが惹かれていく存在

・モルゴ・ラーン・ウィルク
 フロリクス8出身の異星生命体

能力がないだけで、人生が詰む世界

この世界では、超知能のニューマンと超能力者アンユージュアルがすべてを決めている。
何の能力も持たないオールドマンは、数では多数派なのに、政治も未来も与えられていない。
ニックはその現実を、息子の試験不合格という形で突きつけられる。

反抗は思想じゃなく、生活から始まる

ニックが反体制側に寄っていく理由は、大義名分よりも日常の積み重ね。
不公平な試験、監視、将来のなさ。
そこに反逆者チャーリーとの出会いが重なり、後戻りできない位置まで踏み込んでしまう。

宇宙から来た「味方」は本当に味方なのか

プロヴォーニは、遠い宇宙から異星人フロリクシアンを連れて帰ってくる。
彼らは巨大な原形質の生命体で、人類を助けると言いながらも、価値観はまるで違う。
支配層は侵略を恐れ、未来予測や超能力にすがるが、事態は思った方向に進まない。

力を奪われた先に残るもの

フロリクス人は、ニューマンとアンユージュアルの脳を物理的に変え、能力を奪う。
超人だった支配者たちは、ただの人間、あるいは子どものような存在になる。
世界を動かしていた「力」が消えたとき、社会の前提そのものが崩れる。

この小説のポイント

・能力による階級社会というディックらしい設定
・反逆者が英雄になりきらない視点
・エイリアンが救世主とも侵略者とも言い切れない曖昧さ
・神や人間性についての唐突で印象的な会話

たぶんこんな小説

荒削りで、勢い重視。
設定は面白いけど、きれいにまとまる感じはあまりない。
それでも「力が消えた後、人はどうなる?」という問いだけは、最後まで頭に残るタイプの一冊。

コメント

タイトルとURLをコピーしました