城ってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : 城 カフカ





(Das Schloss)
著者:フランツ・カフカ

城に雇われた測量師が、最後まで城に入れない話

雪に閉ざされた村にやって来た測量師Kは、「城に雇われた」と言われながらも、なぜか城に一歩も入れない。
電話をかけても話が食い違い、役人に会えそうで会えず、手紙は届くのに状況は一切進展しない。
恋人ができ、仕事も変わり、人間関係はどんどん複雑になるが、肝心の「城への到達」だけは永遠に先送りされ続ける。
城に近づこうとするほど、Kは村と城の奇妙な仕組みに絡め取られていく。

ざっくり時系列

Kが雪深い村の宿屋に到着する

城に雇われた測量師だと名乗り、宿泊を許可される

城を目指すが道が見つからない

助手アルトゥールとイェレミーアスが現れる

城からの使者バルナバスが手紙を届ける

城の長官クラムの滞在する宿「縉紳荘」に移る

給仕フリーダと関係を持つ

村長から「測量師は不要」と告げられる

学校の小使いとして働くことになる

バルナバス一家の過去を知る

フリーダとの関係が崩れる

城の秘書たちに翻弄され続ける

物語は未完のまま中断

構想上では、Kは許可を得る直前に死ぬ

物語の主要人物

・K
村にやって来た測量師。城に雇われたとされているが立場は常に不安定

・クラム
城の長官。Kにとって最大の接触目標だが、ほとんど姿を見せない

・アルトゥール
Kの助手を名乗る男の一人

・イェレミーアス
Kの助手を名乗るもう一人の男

・フリーダ
「縉紳荘」の給仕。クラムの愛人で、後にKと関係を持つ

・ペーピー
フリーダの後任として酒場で働く給仕

・バルナバス
城の使者。Kに手紙を届ける

・オルガ
バルナバスの妹。一家の事情をKに語る

・アマーリア
バルナバスの妹。過去の事件の中心人物

城はそこに見えているのに、辿り着く道が存在しない

Kは村に着いた瞬間から、城を「目指していい立場」にいるようで、実は一度も正式に認められていない。
城は物理的には見えているのに、道がなく、許可がなく、話は常にたらい回しにされる。
電話、手紙、使者、秘書と手段は多いが、どれも決定打にならない。
Kは進んでいるようで、常に同じ場所をぐるぐる回っている。

役人と制度の迷宮に迷い込む

村長から語られる城の行政機構は、異様なほど複雑で、しかも曖昧だ。
誰が責任者なのか分からず、手続きは正しいのに結果が出ない。
秘書たちは饒舌で、説明は長いが、結論は出ない。
Kは制度の中で「間違っていないのに報われない状態」に置かれ続ける。

恋愛も仕事も、城に近づくほど崩れていく

フリーダとの関係は、Kが城に近づくための足場のようでいて、次第に重荷になる。
仕事は測量師から小使いへと格下げされ、助手との関係も壊れる。
人と結びつくほど、Kは城から遠ざかっていくようにも見える。
ここでは個人的な選択すら、城の影響から逃れられない。

この小説のポイント

・目的が明確なのに、達成条件が最後まで不明
・制度と権力が人を消耗させる過程が延々と描かれる
・会話は成立しているのに、話が一切前に進まない
・「待たされること」自体が物語の中心になっている

たぶんこんな小説

ずっと順番待ちの列に並ばされていて、
「次こそ呼ばれるかも」と思った瞬間にまた後ろに回される、
そんな感覚が延々と続く話。
読み終わる頃には、Kが城に入れない理由より、
「なぜここまで待たされるのか」の方が気になってくる。

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