永遠の夫ってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




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永遠の夫
(Вечный муж)

作品データ
著者:フョードル・ドストエフスキー
ジャンル:海外文学/ロシア文学/心理小説

寝取った男と寝取られた男が、奇妙な友情みたいな関係を続けてしまう話

過去に不倫関係があった二人の男が、
妻の死をきっかけに再び顔を合わせる。
一人は、冷静で理性的な地主ヴェリチャニノフ。
もう一人は、亡き妻を愛し、同時に裏切られていたトルソツキー。
罪悪感、復讐心、依存、滑稽さが入り混じり、
二人は離れたくても離れられない関係に引きずり込まれていく。

ざっくり時系列

ヴェリチャニノフが裁判のためペテルブルクに滞在する

未亡人となったトルソツキーが現れる

ヴェリチャニノフは亡き妻ナタリアとの不倫を思い出す

リーザが自分の実の娘だと気づく

リーザを引き取るが、彼女は亡くなる

トルソツキーが再婚を目論む

婚約話が破談になり、屈辱を味わう

トルソツキーがヴェリチャニノフを殺そうとする

失敗に終わり、二人は一度別れる

後日、駅で再会し、トルソツキーは再婚している

物語の主要人物

・アレクセイ・イワノヴィチ・ヴェリチャニノフ
 地主。不倫の過去を持ち、理性的だが内面は不安定。

・パーヴェル・パヴロヴィチ・トルソツキー
 未亡人。裏切られた夫でありながら、加害者から離れられない。

・ナタリア
 トルソツキーの亡き妻。ヴェリチャニノフの元恋人。

・リーザ
 ナタリアの娘。実はヴェリチャニノフの子。

・ナディア
 トルソツキーが再婚を望む少女。別の青年と想い合っている。

過去の罪が、突然よみがえる

物語は、静かな再会から始まる。
トルソツキーはどこか不自然で、
ヴェリチャニノフの周囲をうろつくように現れる。
やがてヴェリチャニノフは、
自分がかつて犯した不倫と、その結果から逃げられないと悟る。
リーザの存在が、過去を現実に引き戻す。

憎しみと依存が混ざった関係

トルソツキーは、
ヴェリチャニノフを恨みながらも、
彼から離れられない。
一緒に行動し、再婚話にも同行させ、
屈辱を共有させようとする。
その態度は滑稽であり、
同時に痛々しい。

突然の暴力

ある夜、トルソツキーは、
眠るヴェリチャニノフを殺そうとする。
だが失敗し、
二人の関係は決定的に壊れたように見える。
それでも完全な決裂にはならない。
ここに、この小説の不気味さがある。

終わったはずなのに、終わらない

物語の最後、
二人は駅で再会する。
トルソツキーは再婚し、
またしても「夫」という役割を生きている。
ヴェリチャニノフは、
彼の人生から完全に抜け出せないことを感じ取る。

この小説のポイント

・加害者と被害者の立場が揺れ動く
・復讐よりも、執着が前面に出る
・悲劇と滑稽さが同時に進行する

たぶんこんな小説

重たい話なのに、
どこか妙に可笑しい。
人間の弱さが、
笑える形でむき出しになる。
読み終わると、
「この関係、まだ続くんじゃないか」と思ってしまう小説。

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