※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
火星の人
(The Martian)
作品データ
著者:アンディ・ウィアー
ジャンル:海外文学/SF小説/サバイバル
たった一人で火星に置き去りにされた男が、科学と根性で生き延びる話
有人火星探査ミッション中の事故で、
宇宙飛行士マーク・ワトニーは火星に一人取り残される。
助けは来ない、連絡も取れない、食料も限られている。
それでも彼は絶望せず、
目の前の問題を一つずつ解決しながら、生き延びる道を探していく。
これは孤独な遭難記であり、
同時に人類全体で一人を救おうとする物語でもある。
ざっくり時系列
アレス3号が火星に着陸する
↓
砂嵐事故でマーク・ワトニーが死亡扱いされ、火星に残される
↓
ワトニーは生存し、ハブで単独生活を始める
↓
ジャガイモ栽培と水生成で食料問題を解決する
↓
NASAが衛星画像から生存を確認する
↓
地球と通信を再開する
↓
補給ミッションが失敗し、計画は振り出しに戻る
↓
ヘルメスを火星へ戻す救出計画が立てられる
↓
ワトニーはアレス4号のMAVを目指して長距離移動する
↓
火星から離陸し、宇宙空間で救出される
物語の主要人物
・マーク・ワトニー
火星に取り残された宇宙飛行士。植物学者でエンジニア。
・メリッサ・ルイス
アレス3号の司令官。冷静な判断力を持つリーダー。
・ミッチ・ヘンダーソン
NASAのフライトディレクター。救出計画の中心人物。
・リッチ・パーネル
天体力学者。大胆な軌道変更案を考案する。
・クリス・ベック
船外活動スペシャリスト。最終救出を担当する。
死亡扱いから始まる火星生活
激しい砂嵐の中で事故が起き、
ワトニーは死亡したと判断される。
しかし実際には生きていた。
通信手段も仲間もなく、
彼に残されたのは火星の居住施設と、自分の知識だけだった。
科学で一つずつ問題を潰していく
ワトニーのやり方は単純だ。
「問題を分解して、解けるところから解く」。
水を作り、ジャガイモを育て、
限られた資源を最大限に使う。
失敗も多いが、そのたびに修正する。
この地道さが、物語の推進力になる。
地球側もまた、必死だった
NASAはワトニーの生存を知り、
世界中の知恵と技術を集めて救出計画を練る。
乗組員たちも、自分たちの命を危険にさらす覚悟で
火星へ戻る決断を下す。
一人の宇宙飛行士のために、
組織も人間関係も動き出す。
最後は即興の連続
火星からの離陸も、
宇宙でのランデブーも、
安全とは言いがたい方法ばかり。
それでも、
ワトニーと仲間たちはやるしかない。
科学と勇気と少しの無茶で、
彼はついに救い出される。
この小説のポイント
・専門知識を使ったリアルな問題解決
・極限状態でも折れないユーモア
・一人を救うために動く人類の連帯
たぶんこんな小説
難しい話をしているのに、
読んでいて気持ちが前向きになる。
孤独だけど、
決して一人きりではない物語。
読後は、
「人間って意外としぶとい」と思える一冊。

コメント