海流のなかの島々ってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : 海流の中の島々 ヘミングウェイ




海流のなかの島々
(Islands in the Stream)

作品データ
著者:アーネスト・ヘミングウェイ
ジャンル:小説(戦争文学/心理小説)

海に身を置く男が、喪失と怒りを生き切る話

画家トーマス・ハドソンは、島で静かに暮らし、やがて戦争の海へ出る。
息子たちの死、酒、任務、追跡。
時間が進むほど、彼の内側は削られていくが、行動だけは止まらない。
この物語は、人生の段階ごとに表情を変える「海」と、男の変化を並べて描く三幕構成だ。

ざっくり時系列

ビミニ島で画家として静かに暮らす

夏に3人の息子が島へ来る

島を離れた直後、末の息子2人の訃報を受ける

戦時下のキューバ・ハバナで暮らす

長男の戦死を知る

ヨットを改造し海軍の哨戒任務に就く

ドイツ潜水艦の生存者追跡に参加

潮汐地帯での銃撃戦に至る

物語の主要人物

・トーマス・ハドソン
 アメリカ人画家。島と海を舞台に生きる男

・ロジャー・デイヴィス
 ハドソンの友人で作家

・ハドソンの息子たち
 第一幕で重要な存在となる3人の子ども

島での静けさと、突然の喪失

第一幕「ビミニ島」は、ハドソンがバハマの島で静かな日々を送る場面から始まる。
画家としての規律ある生活は、夏休みに訪れた息子たちによって一時中断される。
海、遊び、親子の時間。
だが島を離れた直後、彼は末の息子2人の死を知らされる。

ハバナ、酒と戦争の日々

第二幕「キューバ」では、第二次世界大戦下のハバナが舞台となる。
長男も戦死し、ハドソンは深い喪失を抱えたまま生きている。
酒に溺れつつ、彼はヨットを改造し、米軍の海軍偵察任務に参加する。
ここでの彼は、内向的で皮肉に満ち、感情を言葉にしない。

追跡の海で迎える結末

最終幕「海にて」では、キューバ北岸で沈没したドイツ潜水艦の生存者を追う。
逃亡中のドイツ兵が村を虐殺したと知り、ハドソンは執拗に追跡を続ける。
潮汐地帯での銃撃戦の末、敵は壊滅する。
ハドソン自身も致命傷を負った可能性が示されるが、結末は曖昧なまま終わる。

この小説のポイント

・人生の段階を三つの場所で描く構成
・感情を語らず行動で示す主人公像
・戦争と私的な喪失が重なって進む物語
・ヘミングウェイ後期らしい簡潔で硬質な文体

たぶんこんな小説

静かな島の時間から、荒れた海の時間へ。
喪失は消えないけれど、問いはやがて形を失っていく。
余白が多く、読み終わってからじわっと残る一冊。

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