※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
ぼくの家族はみんな誰かを殺してる
著者:ベンジャミン・スティーヴンソン
全員が嘘つきで殺し屋かもしれない家族が、雪山で集まる話
父が警官を殺した過去を持つ一族が、久々に雪山のロッジへ集まった結果、案の定、人が死ぬ。しかも一度じゃ終わらない。語り手であるぼく自身も含め、家族全員に前科や隠し事があり、誰が何をしてもおかしくない状況で、事件と家族の過去が同時に掘り返されていく。
ざっくり時系列
カニンガム家が雪山のロッジに集まる
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家族それぞれの過去と因縁が示される
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雪山で見知らぬ男の死体が発見される
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全員が容疑者として疑われ始める
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家族の隠し事と嘘が次々に表に出る
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さらに第二の殺人が起こる
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事件と家族の歴史が一本につながっていく
物語の主要人物
・アーネスト・カニンガム
語り手。カニンガム家の一員で、家族の過去をよく知る存在
・父
35年前に警官を殺した過去を持つ人物
・カニンガム家の家族たち
ロッジに集まった親族。全員が何かを隠している
曰くつきの一族が雪山に閉じ込められる
物語の出発点は、カニンガム家という家族そのもの。世間から白い目で見られ続けてきた一家が、なぜか雪山のロッジに再集合する。外は雪、逃げ場はない、しかも空気は最初から重たい。過去の事件が影のようにつきまとい、「何も起こらないわけがない」雰囲気が最初から充満している。
嘘と過去が絡まり、疑いが家族全員に向く
最初の死体が見つかってから、状況は一気にややこしくなる。誰もが怪しく見え、誰もが何かを隠している。語り手であるぼく自身も例外じゃない。家族の会話、行動、沈黙のひとつひとつが疑念を呼び、過去の出来事と現在の事件が絡まり合っていく。
殺人事件が、家族の正体を浮かび上がらせる
さらに殺人が起きたことで、話は単なる雪山の事件では済まなくなる。家族が抱えてきた秘密、嘘、罪が、事件を通して次々に表に出てくる。誰が何を隠してきたのか、なぜこの家族はこうなったのかが、少しずつ整理されていく。
この小説のポイント
家族全員が疑わしいという極端な状況
語り手自身も信用しきれない構造
過去の事件と現在の殺人が密接につながっている
雪山という閉じた環境が緊張感を強めている
たぶんこんな小説
ずっと誰かを疑いながら読み進める感じで、安心できる瞬間がほとんどない。家族の会話や回想が積み重なるほど、状況はむしろ混乱していく。雪に閉ざされたロッジで、嘘と真実が少しずつ入れ替わっていくのを眺めるような感覚が残る。

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