星の王子さまってどんな話?ざっくり時系列で整理

※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。




Amazon.co.jp : 星の王子さま




星の王子さま
(Le Petit Prince)

作品データ
著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
ジャンル:寓話/ファンタジー

砂漠に落ちたパイロットと、不思議な少年が出会う話

サハラ砂漠に飛行機が墜落して、パイロットの語り手は水が尽きる前に修理しないと終わる状況。そこで突然「羊の絵を描いて」と頼んでくる、小さな王子さまが現れる。
語り手が描いた箱の絵を、王子が「中に羊がいる」と受け取って大喜びするところから、二人の距離が一気に近づく。修理の合間に王子が語るのは、自分の星とバラのこと、旅で出会った大人たちのこと、そして地球で出会ったキツネのこと。子どもの目線で見る世界が、語り手の現実も静かに揺らしていく。

ざっくり時系列

語り手が子どもの頃、大人に絵を理解されず「現実的」になる

パイロットになり、サハラ砂漠に墜落

王子と出会い、羊の絵(箱の絵)で仲良くなる

王子が小惑星B612と、世話していたバラの話をする

王子が星を出て、6つの惑星で大人たちに会った話をする

地球で蛇、花、山、こだま、バラ畑を経験し落ち込む

キツネに出会い「飼いならす」ことを学ぶ

転轍手と商人に会い、大人の忙しさを知る

水が尽きかけ、王子が「井戸がある」と語り手を支え、井戸に辿り着く

修理が終わり、王子は蛇と話し、星へ帰る決意を固める

王子は語り手に別れを告げ、蛇に噛まれて姿を消す

語り手は砂漠を去り、星を見るたび王子を思い出す

物語の主要人物

  • 語り手(パイロット)
    サハラ砂漠で墜落し、修理をしながら王子の話を聞く
  • 小さな王子さま
    小惑星B612から来た少年。旅の経験を語り、語り手の見方を変えていく
  • バラ
    王子の星で育った花。王子が手をかけたことで特別な存在になる
  • キツネ
    王子に飼いならすことを教える。大事なことの見方を渡す

  • 王子に「帰り道」を示せるような、不思議な力をほのめかす存在

帽子にしか見えない大人 vs 中のゾウが見える子ども

物語の最初にある「ボアがゾウを飲み込んだ絵」を大人は帽子だと思い込む。ここで、見えてるのに見えてない感じが決まるんだよね。
砂漠での出会いでも同じで、語り手は修理と水の計算で頭がいっぱい。でも王子は、羊だのバラだの火山だの、目の前の世界をちゃんと自分の言葉で扱う。王子と会話しているうちに、語り手の現実の中にも、少しずつ余白が戻ってくる。

B612のバラがくれた、めんどくさいのに大事なやつ

王子の星には小さな火山が3つあって、バオバブの芽を抜いたり、掃除したり、地味な手入れが日常。そこにバラが咲く。バラは気まぐれで、強がって、でも世話を必要としている。王子は恋をするのに、うまく扱えなくて星を出る。
地球でバラ畑を見て、王子は自分のバラが特別じゃなかったと思って落ち込む。そこでキツネが現れて、飼いならすことを教える。時間をかけて関係ができると、ありふれたものが唯一になる。そして、飼いならしたものには責任が生まれる。王子がバラを見直すきっかけが、ここで決定打になる。

砂漠の井戸と、星の別れが残す静かな余韻

墜落から8日目、二人は喉の渇きで限界になる。王子は故郷とバラを思って沈むけど、それでも「砂漠のどこかに井戸がある」と語り手を前に進ませる。夜明けに井戸を見つけた時の救われ方が、派手じゃないのに沁みる。
修理が終わる頃、王子は帰る準備をしていて、語り手に「もし死んだように見えても体が重いだけ」と告げる。星を見る時、王子の笑い声を思い出せるように。別れはさみしいけど、世界の見え方が少し変わる感じが残って、読後も空を見上げたくなる。

この小説のポイント

子どもの理解の仕方が、大人の現実をほどいていく流れ
バラとキツネで描く、時間と関係が特別さを作る話
砂漠のサバイバルが、心の話につながっていく構造
星を見上げる行為に、思い出のスイッチを埋め込む終わり方

たぶんこんな小説

読み終わったあと、日常の物や人がちょっと違って見えるタイプの物語。派手に泣かせるというより、静かに大事なことを置いていく感じ。星空とか、誰かにかけた時間とか、そういうものが急に意味を持ってくる、そんな空気があるよ。

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