※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未読の方はご注意ください。
スナーク狩り
著者:ルイス・キャロル
正体不明の怪物を探しに行ったら不安と妄想だけが膨らむ話
見た者は消えると言われる怪物スナークを捕まえるため、妙な肩書きの人たちと一匹が船に乗り込む。地図は真っ白、目的地もあいまい。噂と想像が勝手に育ち、恐怖だけが本物みたいに大きくなっていく中で、話は思わぬ終わり方に転がっていく。
ざっくり時系列
怪物スナークの噂が語られる
↓
船長ベルマンが仲間を集める
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白紙の海図を持って出航する
↓
旅の途中でスナーク像が各自の頭に膨らむ
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恐怖と期待が入り混じっていく
↓
ついにスナークに近づいた気配が生まれる
↓
驚くような結末を迎える
物語の主要人物
・ベルマン
スナーク狩りを率いる船長
・靴磨き
遠征隊の一員
・帽子屋
遠征隊の一員
・弁護士
遠征隊の一員
・パン屋
遠征隊の一員
・ビーバー
遠征隊に加わる一匹
真っ白な海図で始まる冒険
物語は、最初からちょっとおかしい。目的の怪物は実在するのかも分からず、持っている海図は真っ白。なのに、船は当たり前のように出航する。集まった面々も職業も性格もバラバラで、冒険というより即席の寄り合いみたいな空気で話が始まる。
噂と想像が怪物を育てていく
航海が進むにつれて、スナークの姿はだんだん具体的になっていく。でもそれは、誰かが見たからじゃない。各自が勝手に想像し、恐れ、語ることで、スナークはどんどん存在感を増していく。怪物そのものより、人の頭の中の方がずっと騒がしい。
見つかったものは怪物か、それとも
やがて一行は、ついにスナークに辿り着いたかのような瞬間を迎える。でも、そこで起こる出来事は、単純な怪物退治では終わらない。存在していたのか、していなかったのか、その境界がぐにゃっと歪むような結末が用意されている。
この小説のポイント
怪物の正体が最後まで掴めない
冒険なのに目的がどんどん曖昧になる
言葉と想像力そのものが主役になっている
怖さと可笑しさが同時に進んでいく構造
たぶんこんな小説
物語を追っているうちに、何が現実で何が思い込みなのか分からなくなってくる。真面目に読むほどズレていく感じもあって、読む側の想像力まで試されている気分になる。冒険譚なのに、最後に残るのは地図じゃなくて、頭の中に浮かんだよく分からないイメージだったりする。

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